ぼくのメジャースプーン ★日常 本 2015年07月04日 辻村深月さんの「ぼくのメジャースプーン」を読み終えました。500頁オーバーと最近は活字離れが著しい自分にはうへぇ…となってしまう厚さ。だけど、これが読んでみると続きが気になって気になってしょうがなくて、なんだか500頁もあっという間に読んでしまいました。ただ内容にうへぇ…としちゃった。いい意味でも悪い方の意味でも。お話としては不思議な力のある「ぼく」が幼馴染のふみちゃんに訪れたある事件、その犯人との闘いを綴ったものなのですが。犯行の内容がえぐい。児童が可愛がっていたウサギをバラバラに切ってしまうとか…。犯行の理由は面白いと思ったから。動物を殺すことも、亡骸を見つけた子供の反応を見ることも。全ては面白いと思ったから。自分の犯したことを悪とも思わない犯人。ウサギを可愛がっていたふみちゃんは心を閉ざしてしまう。けれど、法として動物を殺すことは器物損壊で処理される。窓ガラスを一枚割ったのと同じ罪なんて…目を覆いたくなりました…でも、大人な自分が嫌になる惨状に巻き込まれても「ぼく」は逃げずに闘おうとします。ぼくには特殊な力がある。復讐のことを考えるけど果たしてふみちゃんはそれを望んでいるか?また、人を人とも思わない人間をどうやって反省させるか。それは可能なのか?とにかくいっぱいぼくは考えます。そして、私も考えさせられる。自分ならこの犯人をどうするか。許せるのか否か。そして、最後に出したぼくの答えは?想像もしなかった結論でした。加害者に対して憎しみが先行してた自分にはちょっとマネができない決断。男の子の中に男を感じました。偉いっ!ぼく!ぼくもふみちゃんも小学生なのですが、辻村深月さんは感情移入させる書き方がお見事で、どちらかと云えば主人公の親との歳の方が近い自分も、読んでる間は小学生のぼくになっていました。不思議。この作者の他の作品も読んでみたい!と思わせるに十分な良い本でした。とても読みやすかったし、オススメしてくれたフォロワーさんに感謝だ。──本を薦め合うってのもたまには良いですね。ゲームよりか単価も安いから手に取り易いし〇 PR